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特集

サマードリンク特集-世界のビール-

夏といえばビールが美味しい季節。ドイツ、ベルギー、チェコなどのビール大国をはじめ、様々な国でつくられるビールには、その国ならではの特徴があるもの。今月のテーマは世界のビールです。

少し前まで、日本のビールは種類こそ多いけれど、ほとんどがピルスナータイプのビールに分類される選択肢の狭い市場でした。しかし近年、色々なタイプのビールを生産する地ビール工場が国内にも増えたことで、多様なビールを楽しめるようになりました。今回は、世界的に人気の高いビールをピックアップ、多様なビールのそれぞれの特徴についてお話しします。

ホップ

ラガー
ラガーとは「横たえる」「倉庫」などを意味し、ブルワリーのタンクで約0度の低温貯蔵により製造されるビールです。低温で発酵する下面発酵酵母を使用し、クリーンでマイルドな味わいが特徴。世界中で最も多く飲まれているのがこの軽いタイプのライトラガータイプであり、日本の大手ビール会社が生産する主力商品のほとんどがこのタイプ。中でもチェコのボヘミア地方ピルゼンを起源とするピルスナータイプといわれるビールは、日本をはじめ世界中で人気のビールタイプです。澄んだ黄金色、ボヘミアザーツホップの香りとドライなフィニッシュを特徴とします。クセがないのでどんな料理にもマッチします。
かなり軽いライトタイプビールとして有名な「バドワイザー」は、1876年米国ミズーリ州セントルイスで誕生しました。アルコール度5%のラガービールで軽い爽快な喉ごしが人気です。ビーチウッド熟成法と呼ばれる熟成段階でブナの木を使用し飲みやすい味わいに仕上げています。3℃〜5℃とかなりしっかり冷やして提供します。

エール

 

上面発酵酵母と高い発酵温度が特徴で、オレンジやベリーのようなフルーティーなアロマを持つビールです。なかでもペールエールは、通常のエールに比べ薄い色のエールなので、ペール(pale:薄い色の意)エールと呼ばれています。ペールエールモルトを使用し、ブロンズ色でナッティーなフレーバーを持つ「バスペールエール」が有名。1777年創業のバス社はイギリス中部・スタッフォード州のバートン・オン・トレントにブルワリーを構え、上面発酵とカルシウムやマグネシウムなどのミネラルを多く含有する地の原料水が、スッキリした喉越しとキレ味に特徴を持つバスペールエールを生み出しています。
肉料理のようにしっかりした素材のものや、揚げ物、スパイシーな味付けの料理にマッチします。

リアルエール
樽内熟成しハンドポンプで注ぐ伝統的なエール。フルーティーな香りと、さわやかな苦味、深いコクを持つビールです。リアルエールは、初期発酵後のビールを樽に移し、発酵に伴い発生する炭酸ガスを抜きながら樽の中で熟成されるビール。香りとコクを楽しむエールビールの中でも、本来のエールビールが持つ特徴を最も強く表現しているスタイルです。イギリスの伝統的なパブでは、セラーマンと呼ばれる職人が、樽に詰められたリアルエールの熟成度合により最良の状態を判断し栓を開けて提供します。こちらも揚げ物、スパイシーな味付けの料理にマッチします。

ドライスタウト
ドライスタウトローストの強いモルトを使用する濃厚な味わい、特有のきめ細やかさでクリーミーな泡、深いコクと濃厚な色と味わいを醸し出すビールです。スタウト独特のコク・香ばしさ、きめの細かいクリーミーな泡が醸し出すマイルドな味わいが特徴。アイルランド生まれの「ギネススタウト」が最も有名。1759年より頑なに守り続けているギネス社独特の醸造方法により、特有のきめ細やかさでクリーミーな泡、深いコクと濃厚な色と味わいを醸し出します。缶ビールでもキメの細かい泡を再現するためフローティングウィジェットと呼ばれる球型カプセルの入った商品も出されています。提供適温は5℃〜8℃が目安。味の濃い料理や油を多く用いる料理にマッチします。

ランビックビール
野生酵母を使用した自然発酵ビールの総称。ベルギーのランビックビールが有名で、モルト化していない小麦を一部使用し、自然発酵法で醸造します。アルコール度数は4〜6%で、特有の香りと強い酸味が特徴的な深い味わいのあるビールです。中には樫の樽などで長期熟成されるものもあります。適温は7℃〜12℃です。
若いランビックなどにチェリーを浸して発酵させたものを「クリーク」といい、フルーティーなチェリー風味と甘苦い味を持つ飲みやすさで女性にも人気が高いビールです。
食前酒として提供できますし、中華料理にもよく合います。

トラピスト
トラピストトラピストグラス トラピストビールとはトラピスト修道院で造ったビールだけが名乗れる呼称で、ベルギー、オランダのトラピスト会の修道院で造られたビールのことを指します。上面発酵で瓶内熟成され独特のグラスで提供されます。中でも有名なシメイビールには3種類あり、シメイレッド、ホワイト、ブルーといい、順にアルコール分が高くなります。(7%〜9%)。

  • シメイレッド:シメイビールの元祖。適度な熟成感と飲みごたえのあるコク、カシスのような甘くほのかな芳香。アルコール分7%
  • シメイホワイト:数倍のホップを使用しているため、やや苦みの強いドライな味わい。アルコール分8%
  • シメイブルー:濃い銅色の濃厚なボディとフルーティー&ヴェジタルな芳香と、きめ細やかな泡が特徴。洋食・中華料理向き。食中・食後酒タイプ。アルコール分9%
ウィートビール
ウィートビールウィートビールグラス 原料の大麦に加えてかなり多い割合で小麦を使用するビール。淡く白濁したカラーとなることが多いため、ホワイトビールとも呼ばれ、最も有名なビールの一つにベルギーのヒューガルテンホワイトがあります。
大麦モルト、小麦、ホップの他にコリアンダーやオレンジピール等を使用し、フレッシュ&フルーティーな味わいが特徴。ろ過、加熱を行わず、瓶詰め時にも2次醗酵用の酵母と少量のシュガーを加え、瓶内(樽内)醗酵が行われ熟成が楽しめるビールです。 生きた酵母をそのまま瓶詰め(樽詰め)しているので、その名の通り白濁した淡黄色のビールとなります。さわやかな口当たりと特有の酸味、フルーティーな味わいが特徴。低温で冷やして飲まれるため、飲んでいる間、手の温度が伝わって温度が上がらないよう、厚めで角のある専用グラスが用意されています。パスタやソーセージと相性がよいだけでなく、およそビールとは縁がないと思われるデザートともマッチします。

スモーク
ドイツ発祥で燻したモルトで製造され、独特のスモーキーフレーバーを持つ個性的なビールです。ホップの苦味はあまり強くありません。生産量もそれほど多くなく、一般には知られていないビールと言ってもよいでしょう。日本では幾つかの地ビールメーカーが製造しています。いずれも個性的でその名の通り燻製の食べ物と相性抜群です。

一口にビールと言っても色々なタイプのビールがありますよね。気分やシーンに応じて、お客様のお好みに合わせてビールをセレクトしてください。
ここで大切なのは、保存に気をつけることはもちろん、ビールに適した温度、適したグラスでのサービス。同じビールでも一味も二味も違います。他にも紹介したいビールはまだまだありますが、それはまた次の機会に。

ビールを美味しくお出しするために
ビールグラスのチェック
被膜検査:水を張ったシンクにグラスを潜らせ、水から上げた時、水が均等な薄い広がりとなって、きれいにはじかれたら合格。水がグラスの表面で小さな滴になったら、汚れが残っている証拠。油ものとは極力分けて洗浄することを心がけましょう。
美しいビールグラスを使用しましょう
(文/山上昌弘)








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