「安全安心」「美容と健康」など、食のキーワードとして依然注目されています。2007年に多発した食に関する様々な事件により、一層関心を集めたといってもよいでしょう。
2008年、これらをどのように商品に取り入れていったらよいかを考察します。
安全安心の意味 そもそもは...
巷では、食品の安全安心とひとくくりにされていますが、平成17年2月に東京都食品安全審議会が出した「東京都食品安全推進計画の考え方について」での定義をご紹介したいと思います。
【 本答申における食品の「安全」と「安心」の使い分けの概念について 】
食品の安全性について、科学的な根拠に基づく評価が必ずしも都民に受け入れられないこともある。食品に対する都民の安心感は、個人の主観であり、行政や事業者への信頼度などにより、それぞれに異なった判断基準がある。
したがって、食品の安全と都民の安心の関係を一律に表現することは困難であるが、本答申を検討するうえでは、この概念について整理をしておく必要があると考える。
そこで、本答申では、食品にはリスクが潜在することを前提に、最新の科学的知見に基づいた対策が講じられ、健康への悪影響の可能性が最小限となっている状態を「安全」という概念で整理した。また、食品にリスクが潜在することや、安全確保に向けた様々な取組がなされ、健康への悪影響の可能性が最小限となっていることに関して、都民が充分に情報を得ることがき、不安や疑問が解消され、事業者や行政の取組に対して多くの都民の信頼が醸成されている状況を「安心」という概念とした。
すなわち、
食品の安全...健康への悪影響の可能性が最小限となっている状態
食品の安心...不安や疑問が解消され、消費者の信頼が醸成されている状況
ということ。

消費者が求めているのは、提供する側が「安全(大丈夫)ですからどうぞ」というものではなく、安心して自分も家族も食べられるものだと信じられるものと理解するべきでしょう。
飲食店では「安心して召し上がっていただける」商品をお出しし続ける、バックヤードでの努力が必要です。
一度でも裏切ったら、消費者の信頼を再度獲得することは非常に困難だということを肝に銘じ、真摯に取り組んでいかなければなりません。
Point!
・素材の選定(適時チェック)
・適切な保存方法の採用
・徹底した衛生管理
・食品の安全に関する情報の収集
農林水産省の消費・安全局サイトには食品の安全に関する様々な情報がタイムリーに掲載されていますので、ご参照ください。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/index.html
健康志向のとらえ方

男女とも30代を過ぎると「メタボが...」と必ず話題にのぼるぐらい、メタボリック症候群という言葉が浸透し、市場にはメタボ対策の機能性食品が氾濫しています。チェーン店のメニューもカロリーや塩分表記が一般的になり、最近はアレルギー表示もちらほらみかけられるようになってきました。
こうした外食店やサプリメントや栄養バランス食品などがズラリと並んだスーパーやコンビニエンスストアを見ると、「健康」を過剰に意識しすぎて、逆に不健康なのでは...とも感じることがたまにあります。
実際に本当に健康的な生活をしていたら、適度な運動にバランスのよい食事、快眠で十分なはずで、こうしたもののごやっかいにはならないはずですから。
本来の健康とは微妙に違うことを考えると、「健康的」であることが重要かと思われます。「的」であることです。
ダイエットする人間が普通コー○は飲みません。が、ダイエット・コー○を買うわけです。
言わんとすることがわかっていただけますでしょうか。
Point!
・素材が安心できるものであることは当然
・美味しさの中に体によさそうだと感じられるフックをもたせる
・漠然とした機能よりも具体的な機能 例)×体にいい ○お肌プルプル・体ポカポカ・悪玉コレステロール撃退
・女性にはローカロリーは魅惑の言葉→でも美味しく→ポーションの工夫・ローカロリー食材との組み合わせで総カロリーコントロール
<健康志向食品が機能するとされる分野・成分>
滋養・強壮、美肌効果、整腸効果、ダイエット、生活習慣病予防、免疫賦活作用、栄養バランス、骨強化、貧血予防・改善、覚醒効果、のどの不快感除去、虫歯予防、口臭予防、視覚改善作用、マルチバランス
お客さまにどのように伝えるか
◇ 安全性
既にみなさんも実行されていると思いますが、産地表示や生産者表示をメニューやPOPで行うのもひとつの手です。また、メニュー巻頭、お店のホームページやリーフレットなどに、食材についてどのようにこだわっているのかのメッセージを入れるのもよいでしょう。
セールストークで商品をおすすめする際に、素材についてもご説明できればなおよし。
食の安心は、お客さまとのコミュニケーションの中で築かれた信頼そのものと言えるでしょう。
ただ、お出しするだけではなかなか伝わりにくいものなのです。
*外食の産地表示ガイドライン:
http://www.maff.go.jp/gaisyoku/index.html
◇ カロリー・機能性・効能など健康への配慮
商品全部に○○によい○○○○といったネーミングをする必要はありません。
思い切り真ん中直球は中食とスーパーやコンビニなどではありですが、外食では他人の目もあり、痩せたい!内臓脂肪を落とすんだ!便秘がちで...といったことをあまり堂々と公言したいわけではありません。
メニューのキャプションにさりげなく「○○に効果があるといわれる○○をふんだんに使用」「○○に効果あり?」などと語る程度がよいでしょう。
あくまでもお客さまがメニューを選ぶ際のちょっとした指標となる程度の情報。「あれ?意外にカロリーが抑え目だわ」「風邪をひきそうなときにはこれいいかも...」と気づいていただければOK。
調理方法自体では、やはり油っこさや塩っ辛さによって、「ヘルシー」さ加減というものが図られる傾向にあるので、使用量などには配慮が必要です。
2007年は食品メーカーの使用食材詐称事件から始まり、名門料理店や有名菓子店などの賞味期限詐称など、何を信じてものを買えばいいんだろう...と消費者が思わざるを得ない食の事件が多発しました。
消費者の不安感は少なからず、外食市場にも影響してきています。
「人の振り見て我が振りなおせ」 今一度、安心してお客さまに商品をお出しできているか、見直す機会かもしれません。
(文/プランニング・コンサルタント 佐藤朋子)