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特集

看板力 集客の仕組みを考える

物販店と違い、冷やかしで出て来られないのが飲食店。入るのにはそれなりの決心が必要です。
お客さまに「よし、入ろう」と思わせる店の顔づくり。
どんな工夫が必要なのか...

飲食店運営に携われている方であれば自分の店の看板の良し悪しを検証する場面が幾度となくあることでしょう。
開業日から何一つ問題なく順風満帆に今日まで営業を続けている、というようなお店も少ないでしょうから、看板を変えたらもっと集客できるのでは?と自分の店を眺めたことのある方も多いはず。
自店の看板に満足されている方も、看板を"どげんかせんといかん!"と悩まれている方も、この機会に看板による集客の仕組みを整理して考えてみてください。

■ターゲット客層を再確認

看板による集客を考えるにあたり、まずはお店のターゲット客層を再確認する必要があります。
例えば徒歩客中心の場合は歩行者目線で看板を考え、車客中心の場合は運転者目線で看板を考える、ということ。
あらためてターゲットとなる客層を明確にし、顧客目線に立つことで実際にどのようなシチュエーションで看板が見られているかを認識するということが肝要です。
物件を探すとき、商品や店舗デザイン開発においてまでは"ターゲット"という言葉は念頭にあるものの、看板について思考を巡らすときに、目立つかどうか、自分の目線が主体となり、"ターゲット"視点が抜け落ちていないでしょうか?
飲食に限らず、全ての商売において、ターゲット=男女の別や、年齢層、ビジネスでの利用か行楽での利用か等の利用動機を把握することで、あるべき姿が見えてきます。

■看板視認性チェックの基本的な方法 −入店までの4工程−

それでは具体的に看板がどう見えているか、看板視認性チェックの基本的な方法をあげてみましょう。
看板の「視認性」のチェックは、お客様がお店の存在に気付いてから入店を意思決定するまでの流れを追う形になります。
新しいお客様がお店の存在を確認してから入店を決めるまで、最低でも10秒の時間がかかるとされています。
この10秒間の間に

【存在認知】→【ブランド認知】→【サービス認知】→【入店決意・店舗誘導】

という工程を経て入店に至ります。
入店までの「4工程」は、以下のような状態となります

1.存在認知
お店の存在を確認
大きさ、色、明るさなどにより「何か」があるという存在に気づく

2.ブランド認知
存在を確認したお店がどのような業態なのか、また店名等を認識
和食なのか洋食なのか喫茶なのかなど、何を提供してくれるお店であるのかを理解する

3.サービス認知
具体的な商品内容、サービス内容、価格などを認識
どのような商品をいくらぐらいで、どんな雰囲気で食べられるのか等を具体的にイメージする

4.入店決意・店舗誘導
2〜3の情報に反応し、入店を決意
すみやかに入店できる環境が用意されており、入店を躊躇させるような障害がない状態

看板視認性チェックを行うために、お客様が店舗に到達する10秒前の地点に立ち、看板を確認してみましょう。
10秒前の地点とは、歩行者の場合は店舗の手前30m〜50m(遠視)ほど離れた歩道、自動車の場合は通行速度にもよりますが、看板から進行方向手前150〜200mほど離れた車道からスタート。1〜4までの工程がスムーズに行えるか、実際にシミュレーションしてみてください。

■自店客観的に評価の看板をしてみる −看板の4評価・4障害−

店舗看板評価の基準に「4評価・4障害」というものがあります。
これは実際にチェーン店で使用されているもので、看板の現状を漏れなく把握することができる便利な手法です。
「4評価」は原則として全てをクリアするような状態が望ましい項目、「4障害」は看板機能の障害となっている要素です。障害解決が困難なものも、状態を認識することで工夫・回避できる場合があります。

□4評価
1.視認性評価
 進行方向、対向方向それぞれからちゃんと看板が見えているか。看板が視野角度内に入っているか
2.訴求内容評価
 業態内容、店名、商品内容、サービス内容の訴求が適切になされているか
3.夜間評価
 夜間、暗くなってからも照明等が配してあり看板がちゃんと視認できるか
4.陳腐化状況評価
 看板の表記内容が実際と異なっていたり、時流にそぐわないものになっていないか

□4障害
1.一時的視認劣化障害
 通行者・自動車・街路樹の茂り等が妨げとなり、一時的に視認性を遮られる状態がある
2.近隣看板比較劣位
 近隣店舗の看板と比較して看板の大きさや文字サイズが劣っているため、全体的に見劣りがする状態
3.背景同化障害
 看板色が建物色や近隣看板色と同化して、看板として目立たなくなってしまっている状態
4.自店看板干渉障害
 対象となる看板がお店の別の看板(もしくはフェンス等)と干渉しており、看板同士が重なり合うため視認を遮られている状態

以上のチェックを行うことで現状の看板力を計る基礎材料は揃います。同時に、看板の視認性に関してどういった要素が大切なのかも掴むことができたのではないでしょうか。
これらを元に設置位置、サイズ、色彩、配色、訴求内容等を見直し、看板力をアップする手法を具体的に考えていけばよいのです。

■店舗看板の実際

看板と集客の仕組みが理解できても、理想的な看板を実現するのはなかなか難しいものです。
実際に看板施工業者に相談した場合、デザイン提案は受けることができても、販売促進に貢献するような具体的なアドバイスはなかなか得られないのが実状です。
その役割を担うことが多いのは店舗内装の設計者ですが、店舗設計者は総合的な店舗イメージの構築までは本業ですが、看板の視認性までプランに織り込めるかどうかは個人差があるかと思います。実際、看板=サイン計画については専門家が存在します。

やはり最後は地元を知り、お客さまを一番よく知っている、お店の責任者の知識や経験がものを言います。 この機会に自店の看板の現状集客力を評価、課題を抽出したら、解消策を考えてみてください。 看板はお店の重要な休むことのない営業担当であり、長期的な効果を発揮します。これからの売上に大きく貢献してくれる可能性を秘める重要なアイテムであることを、お忘れなく。


(文/チェーンストア・コンサルタント 熱田大)

◇ユニワークスではショッププランニングはもとより、サインについてのアドバイスも行っております。また、多店舗化時のマニュアル設計施工マニュアル企画制作などもご相談承ります。お気軽に"CONTACT"ページよりお問い合わせください。◇









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