空間における照明の役割は意外と大きいことをご存知でしたか?
照明計画は単体で決定するのではなく、建築やインテリアと同時進行で立てていく必要があります。
照明を上手に使い、コンセプトや機能にマッチしたお店づくりをしていきましょう。
"お店の照明を決める"というと、「調光機付き」とか「器具のデザインは」から始めていませんか?
まずは、平面図を見ながら、どこにどれだけの明るさが必要なのか、全体のイメージをどうしたいのか、建築やインテリアと同時に考えていかなくてはなりません。
「うわ、図面全部を頭に入れて考えていくなんて無理...」と、引かれる方がいらっしゃるかもしれませんが、まずはこれからお話しする、3つのポイントを理解していただければ大丈夫です。
1.夜だけ営業のお店なのか、昼夜営業のお店なのか <視点:営業形態>
夜間営業のみの場合、店内全体をむやみに明るくする必要はありません。明るくしておきたい場所に、必要な明るさがあれば十分です。
なぜならば、外が暗いですから店内はそれだけでも明るく感じます。
演出における利点として、明暗のコントラストが出しやすく、要所を引き立たせることができること、コントラストがあることで、空間を立体的に見せることができる点があげられます。
昼夜営業の場合は昼間の営業、夜間の営業をそれぞれ意識しておく必要が有ります。
昼間においては、どの様な照明を使用しても陽の明るさでは勝てないことを念頭に、地下で陽光が入らない立地でない限り、窓面から入る陽光を利用して窓面から離れたところに照明を配置するのが一般的です。
もちろん、夜間営業時は陽光分を補う照明(前述にあるように、同照度が必要というわけではありませんが)が必要。
スイッチによる昼夜切り替え、調光機の昼夜セット位置の表示など、オペレーションも想定して計画を立てましょう。
Night
Day
2.客単価・商品単価が高いお店なのか、低いお店なのか <視点:業態・単価>
上記単価が低いお店は、より多くのお客様を必要とし、入りやすさ、敷居の低さといったものが求められます。
一般的には、閉鎖的ではなく開放的な店づくりが求められ、照明は、明るさを意識したものがよいでしょう。
明るい店は人の目を引き付けやすく、また引き寄せる効果があるとされています。
典型的な例はコンビニエンスストアやファーストフードショップです。
逆に客単価の高いお店の場合は、明暗のコントラストを使うなど照明演出をふんだんに使用することで、高級感を与えたり、個の空間を創出するなど、独自性の高い店づくりが必要となります。
一概に高いから、低いからだけで決めるわけではありませんが、ひとつの基準として覚えておいてください。
客単価約800円のカレーショップ 昼〜20:00営業 アルコール提供なし
3.「どこを照らす」で大きく変わる空間の印象 <視点:間接照明による雰囲気づくり>
下の事例、皆さんの目にはどのように感じられますか?明るめのお店、暗くて雰囲気のある店...、それぞれ照度が違って見えるでしょうか。
実は、これらは明るさを示す数値に大きな差はありません。
間接照明を使うのも、一つのテクニック。
下向きに直接照明をあてる以外の間接照明。天井や壁面などを使った反射光は演出照明として高い効果を発揮します。
以上が照明計画を考える上での、3つのポイントです。
照明計画は、コンセプトに合った店づくりを左右する、大きなファクターになることはご理解いただけましたでしょうか。
もちろん器具選びも大切ですが、これらをどうするかをまず初めに決めておくべきでしょう。
建築やインテリアの打ち合わせ時に、設計士やデザイナーに意思を伝えれば、それに沿った提案をしてくれます。
目に見える形状のあるデザインと、空気感をつくりだす光や音などのデザイン。
どちらも飲食店舗にとって重要なデザインであることを意識して、お店づくりに取り組んでください。
(文/一級建築士 石井寿人)
◇ユニワークスでは
ショップデザイン・リニューアルのご相談も承っております。お気軽に"
コチラ"よりお問い合わせください。◇