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特集

ワイン選びの視点

すでにワインシーズンに向けて、ワインリストの見直しなどを進めていらっしゃるお店も多いのでは。
メーカーや酒販店から進められるあまたのリストから、どの視点やテーマでワインをセレクトしたらいいのか...
今回は、ちょっと頭を柔らかくして、様々な視点について考えてみたいと思います。

バラエティ フルラインに対応するバランスのよい品揃え

選択の幅の広さを訴求することもひとつの商品戦略です。ここでいう幅には、もちろん価格も含まれます。
飲み口や味の重さ、個性の強さなど、好みによって選べるような品揃え、そして、価格。
価格の幅ですが、ものすごく安価のものから、ヴィンテージクラスの超高級まで揃えろということではありません。あくまでも、自店の客単価とのバランスを考慮しながら最低価格、最高価格を決定し、その幅の中で、選択できるように揃えていきます。
この際、各価格帯に同数アイテムを...ではなく、売れ筋価格のボリュームは上げましょう。(中心価格帯)
ちなみに、日本人の特性として、ミドルクラスを選択する傾向があることは周知のとおり。ランチやコースのフードメニューでも、とりあえず"真ん中を選ぶ"のは中庸をよしとする日本人らしさなんでしょうか。
また、選ぶにあたっての分類テーマをメニューに記載すると、お客さまが選びやすくなります。"爽やかですっきりした白""しっかりとしたコクのある赤"や"スパイシーな料理にぴったりの白"など。
もちろん、自店の料理にマッチした選択基準は必要です。

料理 自店の料理に合わせた品揃え

まずは、自店の料理の分析を。
食材、味の傾向などを考え、それに合うテイストは?香りは?アルコール度数は?
試飲会の際に、ただ、ワインの試飲をするだけでなく、料理と一緒に味わってみましょう。思いもかけない発見があるかもしれません。
併せてシーンにも思いを馳せてみます。
大人数のパーティーや記念日のテーブル、日常使いで楽しまれるお客さまにお出しする各場面で何を召し上がり、どのワインが合うか。あったらいいか。家ワインも定着し、カジュアルになった感もあるワインですが、主に飲まれるお客さまは、ロマンティックだったり、スマートな雰囲気や演出を好まれる方(または特別な機会に飲まれること)がまだまだ多いと感じます。
その意味では、具体的なシーンを想像しやすいと言えるのではないでしょうか。
料理とシーンにぴったりのワイン。
指標が明確になると、セレクトもしやすくなります。

トレンド ワインもフードのうち

フードと同じく、ワインにもトレンドというものが存在します。
雑誌やネットなどでこうした情報にアンテナを張ると同時に、専門店などに足を運び、売り場の情報を得ることも大切です。
ただし、これらは参考として頭に入れるべきもので、そのまま取り入れるべきかどうかについては、当然、試飲が必要です。
さて、フードトレンドというより、食の絶対的なキーワードは近年"安全・安心"ですが、ワインについても口に入れるものなわけですから、同じニーズが顕著となり、自然派*1、有機などはワイントレンドでもひとつのカテゴリーとして確立されてきています。
産地や品種のトレンドは時期によって異なるものですが、上記は定番キーワードとして定着しそうです。
産地や作り手などにこだわった食材のフードを提供しながら、ワインは特に意識しないでセレクトしている、などということはないですよね?

*1 自然派:自然な農法で栽培させたブドウを自然な製法で仕上げたワイン。

提供方法 飲み方提案で差別化を図る

"グラスで気軽に飲める""週替わりで各国のワインが楽しめる""樽出しワインをお得なピッチャーで"など、提供方法に独自性をもたせ、他店との差別化を図ることもひとつの方向性として考えることができます。 サーバーの性能が向上したおかげで、複数のアイテムのグラス売りも可能となり、提供方法(飲み方)にも幅がでてきたのは飲む側としても嬉しいことではないでしょうか。 自店のコンセプトに合わせ、提供方法はどのような工夫ができるか、マッチするかも考えましょう。 また、見た目のバランスにも配慮したいもの。たまに、馴染まない風情で置かれたグラスを見ることがあります。カジュアルなお店であれば、機能性は必要ですが、ワイングラスも気取りすぎないものがよいでしょう。

ハウスワイン 店のこだわりを徹底訴求

ワインリストを考えるよりも難しいのが、ハウスワインのセレクトではないでしょうか。
「うん、美味しい」と多くの人に感じてもらうことはもちろん、店の味として印象的でなければならない。その上、お手頃な価格で提供しなければならないのですから。
「ハウスワインの美味しいお店で他のワインをオーダーしても外れなし」と思っているお客さまも多いでしょう。
ゆえに、このセレクトはとても重要。
料理の項であげたように、自店の味の傾向(特徴)にマッチしたものをじっくりと選びましょう。

ワインセレクトに悩んだら、ちょっと視点を切り替えてみると、探し方自体も変わるかもしれません。
実際には、ここにあげたようなテーマは単独ではなく、リンクして考えられていることです。同時進行で考えると、段々基軸がぼやけてしまうこともあるでしょう。
「うわぁ〜悩ましい!」と思ったら、一つ一つ個別に考えて、あとですり合わせをしてもよいのです。
まずは、考えを一度書きだしたり、現物を求めたり、見える形にすると、客観的な判断もしやすく、まとめやすくなります。お試しください。


(文/プランニング・コンサルタント 佐藤朋子)

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