春はイベントシーズン。
卒業式、入学式、入社式、お花見など、毎週なにかしらの式典やイベントがあり、そのたびに皆で集まって宴会をして...年末に並んで、外食が多い季節と言えるかもしれません。つまり、春は新規のお客さまを獲得する、最高の季節ともいえるでしょう。
新たなお客さまを感動させる商品づくり、できていますか?
今月の特集は「春メニューリポート」です。
◆春は野菜主役のメニューが人気

春になったら食べたいもの。
そう聞かれてまずに思いうかべるのが、筍や山菜、菜の花などの春野菜。煮物やおひたし、竹の子の炊き込みご飯は絶対はずせないメニューですし、洋食だったら春野菜がたっぷりと入ったキッシュやラタトゥユ、生ハムやアサリとキャベツを組み合わせたパスタなどもいいですね。
この時期、春かつおも、新たまねぎや春キャベツと組み合わせてサラダ風にしたメニューは、女性に人気があります。
最近では自炊派が増え、一人暮らしの男性でも日常食は自分でつくるという人が多くなってきましたが、野菜は使いきれなくて無駄にしてしまうのでお肉や加工食品に偏ってしまう傾向にあるようです。これは女性も同じ。
特に春の山菜、野菜には独特の苦味やアクが強いものが多いため、下ごしらえに手間がかかります。竹の子ひとつとっても、米糠でぐつぐつ下茹でしてアク抜きをするのに半日がかり。自宅で"本物の旬の味"を味わうのはなかなか大変。
そのため、中食や外食を利用する際には、なるべく多く食材を使ってるメニュー、特に野菜料理は必ずオーダーすることを心がけているそうです。
自然の恵みをたっぷりと含んだ春野菜はイチオシメニューとして中食・外食で高い人気を得ています。
◆季節を彩りにしたメニュー

日本の春といえば桜。
食の世界でも、桜の花の形をつかったり、桜の花や葉を食材にしたりと桜は大人気。桜餅や桜饅頭、桜茶など和のアイテムのほかにも、桜のシロップをつかったシフォンケーキやロールケーキ、ムースなどの和スイーツのアイテムが年々増加してきています。
デザートや和食だけではなく、桜ソルトや塩漬け、桜リキュールを使った洋食のメニューも、続々登場。桜チップを使った燻製や、桜の塩漬けをつかった桜パスタなど、見た目もほんのりピンクでかわいらしく、春の香りたっぷりの味わいです。
重いコートを脱ぎ捨て、心も体も軽やかに、気持ちが明るくなってくるこの季節に、桜の軽やかで明るい色味もぴったり。
特有の季節感を持つ日本人にとって、"季節"は欠かせないメニュー開発テーマのひとつと言えます。
◆お節料理に次ぐ人気の「お花見弁当」
近年、急速な勢いで成長してきた中食マーケット。
3月のはじめには各百貨店で「春の行楽」をテーマに、様々な趣向を凝らした花見弁当が出揃います。
コンビニエンスや惣菜店など、普段の中食は手軽さ、リーズナブルさに人気が集まりますが、花見シーズンの中食マーケットは、厳選された春の食材をつかったもの、老舗料亭や有名シェフが手がけるなどの、高級志向な行楽弁当に人気が高まり、いまやお正月のお節料理に匹敵するほどの需要があります。
これは満開の桜を愛でるための宴だから、贅を尽くしたメニューで楽しみたいと思う、日本人のお花見への思い入れの強さを物語ってるといえます。
また、不況下、家族の催事などでの出費がシビアになり、今まで旅行や各種エンターテイメントを外で...と外向きだった消費志向が、内向きになっていることも影響していると考えられます。
オリジナリティのある、催事向け弁当やデリバリーメニューなど、今後、市場を広げるうえで、有望な方向のひとつと言えるでしょう。
◆春メニューが重要な理由
景気低迷で、ここ数年「外食離れ」が進んでいると叫ばれてますが、実際に減らしているのは、朝のファーストフード利用や平日のランチといった普段のいわゆる「ケ」の外食。仲間うちの会食や宴会などといった「ハレ」の外食については、回数や予算など、それほど減らそうと思う人は少ないようです。
ただ、せっかくの外食の機会で、お店選びは外したくないと、その選択はとても慎重になっています。グルメ情報誌やインターネット、口コミで事前にお店の情報を調べていくのは当たり前。
春は卒業・入学、入社などといった新しい環境に人が動くシーズンなので、それに伴った宴会需要が高いシーズンでもあり、「ハレ」の食事回数が多い春にこそ、新規顧客獲得の絶好の機会。春を感じさせるメニューでお客様の関心をひき、実際に来店されたお客様に「あの店は美味しい」という印象をもっていただければリピーターになってくれる可能性大、です。
「春のメニューづくりは終わっちゃってるよ...」というお店でも、期間限定やおすすめなど、ベース以外のメニューに取り入れることもできるので、今一度、再考してみてはいかがでしょうか。
(文/編集部 村上睦美)
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