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食材にこだわるメニュー開発

2010年7月23日 15:44

不況とデフレの影響で外食産業も価格競争が激化し、大手チェーンの値引き合戦や、低価格居酒屋の出店、ついには料理を頼めば焼酎無料のサービスをする居酒屋まで登場しました。
惣菜でも1g1円の量り売りや専用容器に詰め放題など、低価格を商機に繋げる動きは活発です。
しかし、本当に広義の顧客満足は得られているのでしょうか?
お客様が美味しい料理を食べたいと思う欲求は、金銭的な要因に打ち勝つ機会も限られてくるのではないでしょうか?

メニューを考案するにあたり、価格に軸足を置いたメニュー開発が求められる情勢ではありますが、敢えて視点を変え、改めて『お客様の精神的・情緒的満足』の充実と『自店の商品力アップ』に重点をおいて考察してみることも必要ではないでしょうか。
魅力があり安心できる商品は、自店のファンを増やし、メニューを通してお客様と信頼関係を築くことができます。
結果として、低価格に頼る集客ではなく「あのお店に行きたい」という明確な目的来店につながります。

今回は、メニュー開発を行う際に重要な要素を占める[食材]について考えてみます。

 


 

◆昨今の食材事情について

 食品や食材に対する消費者意識は、周知の通り 「安全なものを安心して食べたい」「なるべく国産品を選ぶ」など、財布の紐は固くともこだわりは高まっています。
そのようなニーズがあるなか、流通小売、飲食業ともに反響が大きいのは、産地直送や直売を利用した調達の動きです。
生産者が何処の誰なのかが分かる全国各地の野菜直売所は、内食傾向も寄与して活況を呈しており、なかには、年間売上が10億円を超える直売所もあるほどです。
海産物も中間流通を省き、産地から消費地(販売地)への取引が増加しています。

もちろん、地産地消の動きも活発で、海産物の販売所などは観光の目玉にもなっています。
農業では出荷することで完結していた生産者の消費に対する考え方が、流通の変革によって、いかにして売れる農産物を作るか、という考え方に変化しているようです。

飲食業では、直売所や産地直送、生産者からの仕入れ、契約栽培などを活用するケースは野菜や鮮魚に多く見受けられます。
新鮮で安心できて、品質(味・サイズ)、価格も納得のものを入手できる点では有効です。
しかし、市場を通さない流通では、第三者の品質判断がされていないとうことも事実です。
つまり、特に生産者から仕入れる場合は、仕入れる側が品質の判断基準をしっかりと持っていることが大事になります。
注文した時のイメージと違う食材が届いたり、生産者側と判断基準が合致していないために起こるトラブルも散見されます。
市場流通品でも生産、物流の技術的進歩によって高い品質の食材は様々です。産地からの直接仕入れとの違いは、物量、価格、品質が安定的であるということです。また、高付加価値の食材、いわゆる高級食材やブランド品などは市場から入手する方が容易なケースが多いようです。

実際のメニュー開発を進めるうえでは、そのメニューのセールスポイントを何にするかによって、仕入れ、調達の方法を選択することを検討します。例えば、季節メニューで旬の食材の個性にこだわり、他店とは差別化された食材を使用したい場合などは産地から眼鏡に叶った食材を調達し、逆に、通年で価格も固定のメニューでは市場品を使うことで原価や品質の安定につながります。

 

◆日本は食材の宝庫

  日本の国土はご存知の通り、南北に長く、四方を海に囲まれ、内陸部には山や高原もあります。
また、水環境には特に恵まれていて、その恩恵は農産物のみならず、海産物にも与えられているのです。
豊かな自然環境と四季の気候は、様々な食材を育みます。
全国各地には、その郷土の産物があり、風土のなかで受け継がれた収穫があります。
鮮魚を例にすると、全国各地の魚種や食べ方、漁獲方法の種類の多さで日本は世界でも有数の魚食民と言えます。
自分の出身地方以外の地域の鮮魚だと、名前すら聞いたことが無いといった魚も多く、地方の魚市場にいくと、地元でしか流通していないような有益な食材情報を得ることがあるものです。
多種多様な自然の恵みである食材は日本の食文化を根底から支え、私たち日本人の食欲を、知識欲を満足させてくれます。

 

◆食材探しは情報戦から

 情報化社会の現在では、全国津々浦々の郷土料理や食習慣を紹介するテレビ番組や、ご当地グルメの大会、ネットの通販、雑誌などなど、居ながらにして知識は得られます。
実際に自分で産地を巡り、食べ歩くことができたら理想的ですが、なかなか時間もとれませんし経費もかかります。
市場から入手できる食材であれば、先ずは取引している八百屋さんなり、魚屋さんに相談してみましょう。
または、取引先(卸商など)を新たに開拓することも新規の食材入手につながります。
産地から調達したい場合はネットで検索すれば、産地直送の業者は相当数が見つかるはずです。
また、旅行などで訪れた土地で気に入った食材に出会ったら、提供している飲食店、販売店など地元の人から情報をもらっておくと良いでしょう。

 

◆いざ食材が手元に

  目移りするほどの食材のなかから、情報をもとに、評判が良い、付加価値がある、興味がある、などの食材は積極的に試食・試作してみることが第一歩です。
気になる食材が入手できたら、兎にも角にも試食することです。それも、食べる時間帯や分量を様々に変化させることを試してみて下さい。その時々で味や食感、後味などの感じ方は違ってくるはずです。
これによりその食材を深く理解することができます。
知識を得たことを体感する、即ち、食材を感じ取ることからメニュー作りを発想します。
食べ方としては、シンプルに最低限の調理を施して食べてみる。食材によっては生食してみる。
そして、その食材の持つ味や食感などの品質が「美味しい」と感じ取れたら、自分なりの感性で味付けや調理方法を考えていきます。

 

 
 
◆素材を生かす調理の知識

メニューに使用したい食材が見つかったら、次はその扱い方です。せっかくの良質な食材も、扱い方が不適切だと、その品質はお客様には伝わりません。
生鮮品(野菜、魚介類、畜肉)は特に、保存の温度と湿度、その食材が持つ水分を、どう管理するかが重要です。
例えば、野菜は種類によって冷蔵保存する場合にある程度の湿度を与えながら保存した方が良いものがあります。
食材は、それぞれに対して適切な保存をすることで品質の劣化を防ぎ、調理後の味への影響を最小限にします。また、保存状態が良いと食材廃棄の減量にもつながります。

 

いよいよ、最も大事な調理ですが、ここでも適切な知識があれば、美味しい食材はより美味しい料理に仕上げることができます。
調理の際も重要なのは、やはり温度です。
お刺身やサラダなど加熱せずに低い温度で提供する料理は、その仕上がり時点での温度も大切ですが、料理に仕上げるまでの過程でどのような温度で扱われたかが、実は、仕上がりに影響を与えています。
せっかく、産地直送の旬な鮮魚でお刺身を提供していても、お刺身をお造りにする際に時間をかけすぎて、まな板の上で常温が滞留してしまった切り身は身質がゆるみ、脂が液化し匂いのもとにもなります。
サラダに使用するレタス、水菜など生野菜は、保存の際には低温で湿度を与え、カット後も水分を吸わせて、しっかりと冷やすことが鮮度を保つことでシャキシャキとしたサラダに仕上がります。
加熱調理する食材に関しても、適切な温度変化を与えることで、料理としての仕上がりは変わってきます。
野菜(特に緑黄色野菜)を茹でる場合でも、茹でるお湯がしっかりと沸騰している状態であることは大事ですが、実は、野菜自体の温度がどう変化するかによって、茹で上がりの食感や色が変わってきます。
グリーンアスパラガスやブロッコリー、絹さやなどの緑がきれいな野菜は、お湯に投入する前に、氷水に浸して野菜自体の温度を下げておいてから、一気に高温で加熱し、さらに加熱後、すぐに氷水に取って芯まで十分に冷やすという手間をかけることにより、色が鮮やかで退色もせず、水分も含んだみずみずしい食感にグレードアップします。
吟味を重ねて見つけ出した食材が最高の状態で調理され、その食材の持つ品質の良さをお客様に最大限伝えるためには、適正かつ最良な知識が求められます。
食材そのものに「こだわり」を持つことと同時に、扱い方などの知識にも「こだわり」を持てれば、商品力アップにつながります。

 

◆お客様への満足の提供

 飲食店を訪れ、その店のメニューを見て料理を選ぶ時は、お客様は当然のように食欲がある状態と考えらます。
では、食欲をさらに掻き立て、食べて欲しい料理のオーダーをもらうためには何が必要か考えてみましょう。
メニュー開発をする際、食材を厳選して、適切な調理をした料理が完成した時、どんな印象だったか、何を伝えたくてその料理を作ったかを思い起こしてみて下さい。
食材を初めて食した時の感動や納得感をいかにお客様に理解して興味を持ってもらえるかがポイントです。
よく、居酒屋でもレストランでも「○○産の有機野菜」とか「○○から直送の鮮魚」といったメニューを見かけます。
確かに、食材にこだわっていることは伝わります。しかし、ここから、一歩踏み込んで更にお客様に強い好印象を与え、食べたいと思ってもらうための情報を発信しましょう。
そのメニューの特徴的な要素があるはずです。
「驚くほどジューシー」とか「甘みたっぷり」、「今が旬」などでもいいでしょう。

食材、産地、品質、調理にこだわったメニューは、お客様に「美味しい」とはもとより、「なるほど!」「そんな食材があったのか」「旬を感じる」などの情緒的満足を与えることができます。
お客様は、新たな発見や体験ができること、知識を得られることを喜びと感じて「また、この店に来たい」と思うのではないでしょうか。

『お客様の精神的・情緒的満足』の充実と『自店の商品力アップ』について価格競争が激しい今だからこそ、食材のこだわりに取り組んだメニュー開発で、自店のファンを増やし、お客様との信頼関係を築きたいものです。

(文/フードコンサルタント 妻島 健仁)

 


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